イタリアに行く時に参考にさせていただく本が”Osteria d’italia”です。トラットリアを中心に郷土料理が食べれるお店が載っているのですが、ここ最近B級グルメ的な料理を食べれるお店が、各州に載っていて例えば、トスカーナならトリッパ屋、ナポリならピッツァ屋というような感じです。カラブリア州のページの中で、もうかれこれ25年くらいずっと気になっていた料理の特集が2015年版に載っています。”Morzello”と呼ばれる南カラブリア州Catanzaro辺りの料理です。今回お邪魔したトラットリアがCatanzaroの郊外にあります。この前の教訓でナヴィがありますので、迷わなくやってこれましたが、いかんせんお店がどこにあるかわかりません。クリーニング屋の前でしゃべっているシニョーラ達に聞くと、『50m先ぐらいに携帯で話してるシニョーレの前くらいだ』と教えてもらっても通り過ぎたくらい、看板もない質素な佇まいです。もう一度お店の前で、若者に聞いて間違いない事を確認して扉を開けます。
年配の夫婦二人で切り盛りしてて、旦那さんがカメリエーレという典型的なイタリアのトラットリアです。奥の方で忙しいそうにしてる旦那さんにかなり大きな声で
私『ブォンジョルノ』満席のお店の全員が振り返ります
旦那さん『ノー、ノー』手で追っ払う仕草
もしかして、人生初の物売りと間違わられてる?
私『一杯ですか?』
旦那さん『なんだ、一体何の用だ?』
私『食事がしたのですが、お席空いてますか?』
旦那さん『なんや一人か、じゃあそこに座れ!』アゴで指図され
私『はい』勿論日本語で体育会系の返事で答えて、座らさせていただきます
旦那さん『お前は一体どこからやってきたんや?』ほとんど宇宙人扱いです
私『Morzelloが食べたくて、日本からやって来たんだよん』
満席の客席全員が『ジャッポーネ』
周りの皆さんも納得されたので食事スタートです。
とりあえず、ハウスワインの赤を注文します。
メニューは、この手書きのホワイトボードだけです。体の調子が良かったら、一杯食べたいもんがあったのですが、とりあえずMorzelloだけで様子みます。メニューは野菜とお肉だけでパスタ料理は無いみたいです。Morzello di Baccalaというメニューもあります。となりの人が食べてましたが、美味しそうでした。右の3番目がParmigiana di zucchineと書いてるのですが、イタリア人mがwみたいになります。nもuみたいに書くので、手書きのメニューの時に参考にして下さい。ちなみにこのメニューの字きれいな方です。厨房にくるオーダー伝票は解読不可能です。書いた本人もわからないくらいです。
一人でも、相変わらず大量のパンです。
待つこと10分くらいで、Morzello登場です。 ありとあらゆる仔牛の内臓の煮込みです。カラブリアなので、勿論ピッカンテです。調子が悪いながらも往復5時間かけて行った甲斐があったくらい絶品でした。カラブリアに行かれた時には是非どうぞ。イタリアの様々な州で内臓煮込みを食べましたが、トップ3に入ります。
パプリカ好きな方は、大変気に入ってくれると思います。毎日、メニューにあるのでお試しください。あるお客様には、大阪の味がすると言われました。