Montevertine

久しぶりにコルクを開けるのに、手が震えてしまいました。

キャップシールを剥がすと1985の刻印がありました。これ大事です。これだけでも、作り手の気持ちが伝わり嬉しいんですよね。

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ワインという飲み物が可哀想だなと思うのが、減点方式で飲まれる飲み物なんですよね。10万円のワインがあるとすれば、これが10万円の味なのですか?となります。あるワイン評価本で、点数が100点取ってしまうと翌日には倍くらい値段が上がります。確かに100点取ったワインに興味はありますが、ワインはあくまで個人の好みです。

イタリアでも、ソムリエやジャーナリストを対象にしたワイン試飲会があります。私は、Vinitalyしか行ったことがありませんが、凄い数のワインを試飲します。それも出来て間もない若いワインを試飲するのですが、トスカーナのサンジョヴェーゼは連続で試飲するのは、正直しんどいです。そういう時、こんな若いワインに点数つけている人って凄いなと思います。

イタリアワインを楽しみましょうというのが、当店のコンセプトにあります。ワインという飲み物は、誰と飲む、どこで飲む、あとグラスだけでも違った味に感じます。何の先入観もなしに飲むのがいいのですが、するとブラインドテースティングになります。すると、品種を当てないといけない、上手いことワインについて表現しないといけないという難しく考えてしまいます。ソムリエという職業なら必要な知識が、ワインを難しくしているのも事実です。

イタリアワインに関してですが、ワイナリーの歴史を勉強すると面白いと思います。第一回目のMontevertineとかまさしく面白いですよ。日本でも有名なキャンティ村にあるのにキャンティクラッシコを作っておりません。何故なのか?と云うのを勉強すると面白いです。今は亡きSergioがGiulio Gambelliと組んで、どういう思いでこのPergole Torteを醸したのかはわかりませんが、30年先にどういうワインになっているのかを楽しみに醸したのは間違いないと思います。作り手の気持ちが伝わってくるワインに出逢うとワインにのめり込んでいきます。現在は息子さんのMartinoが引き継いでこのPergole Torteを醸しておりますが、85年当時お父さんのSergioが醸した1985のPergole Torteはその年、その時の葡萄でないと作れないんですよね。Sergioはもう亡くなっておりますし、Montevertineは全世界にファンがいます。よってどうしても値段が高騰してしまいます。

Pergole Torte 1985 Magnumを飲んでいただいたお客様は思い出を飲んで頂いたことは間違いないと思います。何度も言いますが、好みは人それぞれです。グラスワインでそのワインを判断するのも可哀想です。やはりボトル1本の変化を楽しむのがいいと思います。

ワインは、一期一会です。もう二度と出会うことがないかなと思い、純粋な気持ちでワインに接したいと思っております。

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