sostanza=本質
その昔、足しげく通ったトラットリアです。現在は夜だけの営業で2回転制です。19時30分からのスタートで予約しました。
まずはメニューを、なんとその昔と何一つ変わってないではありませんか(正直すごい)。変わっているのは、リラがユーロに変わったのと私がおっさんになったくらいです。これだけ外人観光客がやってくるのに、メニューはこのイタリア語のメニューだけです。今のこの世の中で、”かっこいい”と思うのは私だけでしょうか?
この日は、ドイツからもう一人参加で3人で食べに行きました。パスタはそれぞれ食べてメインを取り分けでということで私のパスタが、pasta al burroです。ペンネ・リッシェにバターをひとかけのせただけのシンプルを極めたようなパスタ。そこにカメリエーレが、黒こしょうをかけてくれます。お好みでチーズをかけて食べます。他の二人が、Tortellini in brodoとzuppa alla paesanaで少しずつ分けていただきました。
メイン料理ですが、このお店にきたらまずこれははずせないpetti di pollo al burro。どんなにバター使ってんねんていうくらい、中心までバターです。でもやっぱり旨いです。
フィレンツェにいる間中ずっと食べていたトリッパをこのお店でもということで、Trippa alla fiorentina。
トリッパ アッラ フィオレンティーナの定義みたいのが色々ありますが、そんなことどうでもよくなるくらい旨いです。
その昔、あまりにも美味しくておかわりしたことのある、Tortino di carciofi。この作り方を知りたくて厨房横の席にしてもらったことがありましたが、実際みてても全然わかりません。何度か挑戦しましたが、まったく出来なかったのを記憶しております。イタリアで卵料理はメイン料理になっております。
この日の昼間が、パニーノだけということもあり折角3人もいるということで、Bistecca alla fiorentina追加です。
al sangueな焼き加減も最高です。
最後はこれを食べないと何しにきたみたいな、Meringata con fragolineです。普段ドルチェなどほとんど食べませんが、このMeringataならホールで食べたいくらい好きです。
この炭場ですべて調理しております。
シェフのマリオです。彼が厨房に立ってくれている限りこのお店のトロイア伝説は終わらないと思います。
一皿の料理が、どれだけ人の心を打つかと教えてくれた”Sostanza 本質”というお店。すごくシンプルな料理なのに、他の店とは違う味。それは何故なのか?イタリアに行く度に考えます。”La Mora”でAngelaらと厨房で仕込みをしていた時に思ったのが、仕事として料理をしてなく家族にご飯を作るように、一つ一つの作業がすごくやさしく、丁寧だったのを覚えてます。塩の仕方はもちろん、パスタの混ぜ方、ソースや煮込みの混ぜ方、詰め物パスタの包み方、料理の盛り付け方、すべてが生れたての赤ちゃんをさわるくらいの感覚でやさしく、丁寧に調理されてました。ほんとに、ただなんとなく作るのとでは、まったく違う料理が出来てしまう事があります。私もシンプルな料理をやるうえで今だに、”なんじゃ、この料理”という料理を作りたいと思っております。