あさりの一番おいしい季節になりましたね。この前の賄いでビアンコにして食べたのですが、やっぱりおいしいですね。ボッカでは今まで数回しかビアンコはメニューにのっけてません。あさりのメニューは一年中のせていますが、はじめに剥き身にしてしまっているのでvongoleは殻付きでないとvongoleではないと思っているので、グランドメニューにはのせなくすごくいいあさりが入った時におすすめでのせてます。日本のあさりはvongole veraciに近い品種で大粒のあさりです。あとvongole lupiniとよばれていた少し小振りのあさりを使うお店もありました。個人的には、身はveraciの方がおいしいと思いますが、だし汁のエキスはlupiniの方がよくでてました。ただ今の季節のあさりはlupiniのエキスでveraciの身が楽しめますので、いいあさりの時はおすすめメニューにのせたいと思います。
この世界に入った時、面接の時に食べさせて頂いたのがSpaghetti con vongole veraciでした。この世の中にこんな旨いものがあるのかと驚いた瞬間でした。そしてAl Moloで働いて時、それまでの佐粧さんとか賄いを作らなくてもよかったのですが、私が入って3ヵ月位した時に当時のパスタ場のイタリア人と仲が悪かったというのもあって作る事になったのですが、それはそれは大変でした。5キロのスパゲッティなど作った事などなく、ましてやイタリア人好みのアルデンテに仕上げるなど至難の業で、一番最初の賄いでvongole bianco を作ったのですが、direttoreのAntonioにお前のはパスタではないとボロクソに怒られ、かなり落ち込みもう賄いではvongole biancoは作らないと思ったのですが、辞める前の最後の賄い当番の日にもう一度だけ作ったのですが、Antonioに”Buono”と言って貰ったときはすごくうれしかったのを覚えてます。でもそれ以来vongole biancoは賄いではどの店でも作ったことがなく、20年振りくらいに賄いで作りましたが、おいしく出来て良かったです。